集計方法を指定し、様々な集計ができる多機能なAGGREGATE関数。ここではAGGREGATE関数の基本的な使い方と使用例について解説していきます。
AGGREGATE関数とは
ExcelのAGGREGATE関数は、SUBTOTAL関数の機能を強化した関数です。集計方法を指定し様々な集計ができる多機能な関数で、エラーや非表示行を無視して集計することができます。平均値やカウント、最大値などの集計計算を返し、オプションで非表示の行とエラーを無視するように設定できます。合計19個の機能が使用可能です。(オプションについては表を参照してください)。
AGGREGATE関数の構文1(集計方法1〜13)
- 集計方法:集計方法を1 ~ 19の番号で指定します。各番号の機能は下部に対応表を記載
- オプション:無視する値をどのように指定するかを数値で設定します。対応表は下部に記載。省略されると0を設定します。
- 範囲1:集計値を求めるために範囲を指定します。範囲は複数指定することができ、最大で253個設定することが可能です。
- 範囲2:2つ目の範囲から省略可能です。集計値を求めるために範囲を指定します。範囲は複数指定することができ、最大で253個設定することが可能です。
AGGREGATE関数の構文2(集計方法14〜19)
- 集計方法:集計方法を1 ~ 19の番号で指定します。各番号の機能は下部に対応表を記載
- オプション:無視する値をどのように指定するかを数値で設定します。対応表は下部に記載。省略されると0を設定します。
- 配列:集計値を求めるために範囲を指定します。
- 集計方法の設定値:集計方法ごとの設定値を指定します。例えば「14:降順の順位を出力」の場合は順位が何番目の値を取得するかを設定します。
AGGREGATE関数の集計方法対応表
1つ目の設定値(引数)の集計方法の対応表は下記です。
設定数値 | 同じ機能の関数 | 説明 |
---|---|---|
1 | AVERAGE | 平均値を出力 |
2 | COUNT | 数値の個数を出力 |
3 | COUNTA | データの個数を出力 |
4 | MAX | 最大値を出力 |
5 | MIN | 最小値を出力 |
6 | PRODUCT | 積を出力 |
7 | STDEV.S | 不偏標準偏差を出力 |
8 | STDEV.P | 標本標準偏差を出力 |
9 | SUM | 合計値を出力 |
10 | VAR.S | 普遍分散を出力 |
11 | VAR.P | 標本分散を出力 |
12 | MEDIAN | 中央値を出力 |
13 | MODE.SNGL | 最頻値を出力 |
14 | LARGE | 降順の順位を出力 |
15 | SMALL | 昇順の順位を出力 |
16 | PERCENTILE.INC | 百分位数を出力 |
17 | QUARTILE.INC | 四分位数を出力 |
18 | PERCENTILE.EXC | 百分位数を出力 |
19 | QUARTILE.EXC | 四分位数を出力 |
オプション対応表
2つ目の設定値(引数)のオプションの対応表は下記です。
設定数値 | 説明 |
---|---|
0 | 指定する範囲内にSUBTOTAL関数やAGGREGATE関数 がある場合は、これらの集計値を無視します。省略した場合こちらが設定されます。 |
1 | 「0」の内容に加えて、非表示行を無視します |
2 | 「0」の内容に加えて、エラー値を無視します |
3 | 「0」の内容に加えて、非表示行とエラー値を無視します |
4 | 何も無視しません |
5 | 非表示の行だけを無視します |
6 | エラー値を無視します |
7 | 非表示の行とエラー値を無視します |
AGGREGATE関数の使用例
例1:エラーを無視して最大値を出力
集計方法を「4:最大値を出力」に設定してリストの最大値を出力します。リストにエラーが混ざっているため、オプションを「2:SUBTOTALやAGGREGATEの内容に加えてエラー値を無視」に設定し、エラーを無視します。
=AGGREGATE(4,2,C3:C10)
例2:エラーを無視してカウントする
リストのデータ数をカウントします。集計方法を「2:数値の個数を出力」に設定し、エラーは除外するため、オプションを「2:SUBTOTALやAGGREGATEの内容に加えてエラー値を無視」に設定します。
=AGGREGATE(2,2,C3:C10)
例3:n番目に大きい値を抽出
n番目に大きい値を抽出したい場合は「14:降順の順位を出力」に設定します。このケースの場合AGGREGATE関数の書式は変わり、AGGREGATE(集計方法、オプション、配列、[順位])となり、配列の後に取得したい順位を設定します。
=AGGREGATE(14,2,C3:C10,3)
AGGREGATE関数の注意点
- 3D参照はAGGREGATEでは機能しません。
- AGGREGATE関数は、水平範囲ではなく、垂直範囲を集計するように設計されています。
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