Excelには数式内で変数を定義して使用できるLET関数が用意されています。これを使えば、繰り返し使用する数式や計算値を一度に定義し、その後の計算に簡単に活用することができます。ここではLET関数の機能と使い方について解説します。
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LET関数とは
LET関数は、Excelの数式内で変数を定義し、その変数を使用して計算を行うための関数です。この関数を使うと、同じ数式や値を何度も書き直す手間を省き、コードの可読性を高めることができます。変数の定義は複数定義することが可能で最大126個作成することが可能です。
この関数の対応バージョンはExcel 365以降です
LET関数の構文
LET関数の基本的な書式は以下のようになります。
- 変数名1:変数名を指定します。1つ目の変数名は必須項目です。
- 値1:変数名1に対する値を指定します。値には単純な値から複雑な数式まで指定することが可能です。1つ目の値は必須項目です。
- 変数名2:2つ目以降は省略可能です。2つ目の変数名を指定します。
- 値2:変数名2に対する値を指定します。2つ目以降は省略可能です。変数は最大126個指定可能です。
- 計算式:設定した変数を使って計算式を作成します。
例えば、「変数名」に”x”、値に”10″、数式に”x*2″と入力すると、以下のような結果が得られます。
=LET(x, 10, x*2) = 20
LET関数の利点
LET機能には、次の3つの主な利点があります。
- 読みやすくなる:数式で使用される変数に名前を付けると、複雑な数式を読みやすく、理解しやすくなります。
- メンテナンスしやすい:1つの場所で変数として数式を定義することで、変更が生じた場合のメンテナンスがしやすく、冗長性とエラーを抑止できます。
- パフォーマンス向上:冗長なコードを排除することは、コストのかかる計算の数を減らせるため、全体的な計算時間が短縮されることを意味します。
LET関数の使用例
使用例1:基本的な使い方
シンプルな例です。「X」という変数を定義し、値を「2」に設定し、計算式でXに1を足しています。結果は3が返ってきます。
=LET(X,2,X+1)
結果 → 2
使用例2:2つの変数を指定する例
変数を2つ定義する例です。「X」を「1」、「Y」を「2」と定義し、X+Yを計算しています。結果は3が返却されます。
=LET(X,1,Y,2,X+Y)
結果 → 3
使用例3:平均値を求める数式を変数化して計算
LET関数の変数定義が活きてくるのは、同じ計算が数式内で何度も出てくるときです。この例の場合は3つの値の平均を求める式を変数として宣言し、繰り返し使っています。このような使い方をすることで数式がスッキリと見え、処理が速くなります。
=LET(ave,(B3+C3+D3)/3,IFS(ave>=7,"A",ave>=4,"B",ave
結果 → B
LET関数の要点
- LET関数は、Excel365でのみ使用できます。
- 変数は必要な数だけ指定することが可能で、最大126個指定できます。
- LET関数は同じ計算が複数出てくる数式で使うと効果的です。
- LET関数をうまく使用することで処理速度が短縮されます。
ExcelのLET関数は、数式内で変数を定義し、その変数を活用して計算を行う便利な機能です。この関数を使うことで、複雑な計算をシンプルに表現したり、コードの可読性を高めることができます。
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