【エクセル】「$」の意味についてわかりやすく解説|セル参照の固定

Excelのセルの数式の中に「$」が混じっていることがよくあるかと思います。ここでは「$」の意味と使い方について解説します。

目次

「$」とは「セル参照を固定するための記号」

「$」はセル参照を絶対参照として固定するための記号です。絶対参照とは「数式をコピーしたときにセル参照がずれない」ことを指します。「$」を行番号の前に付与すると、行が固定され、列番号の前に付与すると、列が固定され、両方につけると、行、列ともに固定されます。

説明
$A$1行と列を固定
A$1行だけ固定
$A1列だけ固定
A1相対参照

たとえば、セルA1に「$B$2」と入力すると、これは常にセルB2を参照します。数式を他のセルにコピーしても、参照先はB2のままです。このように、「$」記号を使うことで、特定のセルへの参照を一貫して保つことができます。

また、絶対セル参照には2つのバリエーションがあります。一つは行と列の両方を固定する「$B$2」形式、もう一つは行だけ固定する「B$2」形式、または列だけ固定する「$B2」形式です。

「$」記号はエクセルの中でも特に便利な機能の一つで、多くの場面でその力を発揮します。例えば、一定の値を用いた計算を複数のセルで行うときや、特定のセルの値を他の全てのセルで参照するときなどに非常に役立ちます。

そもそも「セル参照」ってなに?

上記で「$」について「セル参照を固定するための記号」と解説しましたが、そもそも「セル参照」とはなんでしょうか? 「セル参照」とは他のセルの値を参照する仕組みのことです。例えば「A1」セルに入力された値を「B2」セルで参照することができます。まず下記のGIFアニメーションを見てください。

A1セルに「10」を入力し、B1セルに「=A1+10」と入力すると、「20」が返ってきます。B1セル内でA1をセル参照しA1の値にさらに10を足したので「20」が返ってきました。この状態であれば、A1セルの値を変更すると、B1セルの値もそれに応じて変更されるようになります。

絶対参照とは?

セル参照の仕組みがわかったら、次は絶対参照について解説します。セル参照には「相対参照」と「絶対参照」があります。 「相対参照」はセル参照が入った数式をコピー・ペーストした際に自動でセル参照がずれますが、「絶対参照」はセル参照が入った数式をコピー・ペーストする際に数式がずれません。実際に見たほうが理解が早いのでまず下記の相対参照の時にオートフィルで数式をコピーするGIFアニメーションを見てください。

相対参照の場合の数式コピー

上記のように相対参照の場合は数式内のセル参照が自動的にずれています。 次に絶対参照のセルをオートフィルで数式をコピーするGIFアニメーションを見てください。

絶対参照の場合の数式コピー

上記のように絶対参照であれば、数式をコピーしても、参照位置がずれずに同じセルを参照しているのが分かります。

絶対参照に切り替えるショートカットキー

絶対参照に切り替える際にわざわざ「$」を入力しなくても、ショートカットキーで切り替えることが可能です。

数式の編集モード時に参照セルのカーソルを隣接させた状態で「F4」キーを押下すると絶対参照に切り替わります。さらに「F4」を押下すると、「行のみ絶対参照」→「列のみ絶対参照」→「相対参照(最初の状態)」という具合に切り替わっていきます。

絶対参照に切り替えるWindowsF4
macF4

「F4」で切り替わる順番

  1. 行と列を固定(例:$A$1)
  2. 行だけ固定(例:A$1)
  3. 列だけ固定(例:$A1)
  4. 相対参照に戻る(例:A1)

絶対参照の活用例(消費税率を絶対参照し、税込価格を出力)

絶対参照でセルを参照する活用例について解説します。下記例では、消費税率のセルを絶対参照し、各商品の税込価格を出力します。

GIFアニメーションでざっくり手順確認

まずは下記GIFアニメーションをざっくりと確認し全体の流れを掴んでください。その下に手順詳細を解説します。

手順1:空白セルを選択

起点となる数式を入力するための空白セルを選択します。

手順2:「=」を入力

「=」を入力します。「=」を入力することで数式入力モードに切り替わります。

手順3:税抜の価格を参照

計算の元となる税抜価格をクリックし、セル参照します。このセル参照は相対参照のままにします。

手順4:「*(1+」と入力

「*(1+」と入力します。

手順5:消費税率のセルを参照

消費税率のセルをクリックし、セル参照します。

手順6:F4を押下し、絶対参照に変更

F4を押下し、絶対参照に切り替えを行います。

手順7:「)」を入力し、ENTERキーを押下

「)」を入力し、ENTERキーを押下します。

手順8:数式をオートフィルでコピーする

入力した数式を選択し直し、右下のフィルハンドルをドラッグし、オートフィルで数式をコピーします。

関連リンク
【エクセル】オートフィルの使い方まとめ

税込価格を出力できました。

エクセルの「$」記号に関するFAQ

Q:エクセルの「$」記号はどのような場合に特に役立つのか?

A:「$」記号は、特定のセルへの参照を一貫して保つ必要がある場合に役立ちます。例えば、複数のセルで同じ割合や固定値を使用する計算を行う際などに使用します。この記号を使用することで、数式を他のセルにコピーしても参照先が変わらないため、効率的に作業を進めることができます。

Q:絶対参照と相対参照の違いは何か?

A:絶対参照はセル参照が固定され、数式をコピーしても参照先が変わらないものです。一方、相対参照は数式をコピーすると自動でセル参照がずれるものです。絶対参照は「$A$1」のように「$」記号を使用して表現され、相対参照は「A1」のように表現されます。

Q:「$」記号を直接入力せずに絶対参照にする方法はあるか?

A:「$」記号を手動で入力する代わりに、数式の編集モードで参照セルのカーソルを隣接させた状態で「F4」キーを押下することで、絶対参照に切り替えることが可能です。このショートカットキーを使用すると、手間なく絶対参照に切り替えることができます。

おすすめの解説動画

相対参照と絶対参照について非常にわかりやすく解説している動画です。動画のほうが理解しやすい方はこちらの視聴をおすすめいたします。

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