Excelには範囲(配列)内の任意の値の位置を取得するMATCH関数が用意されています。ここではMATCH関数の機能と使い方について解説します。
MATCH関数とは
MATCH関数は、行や列の中から特定の値の位置を数値で返す関数です。近似一致と完全一致、および部分一致のワイルドカードをサポートします。MATCH関数はINDEX関数と組み合わされてVLOOKUP関数のように使われる場合が多いです。
この関数の対応バージョンはExcel 2003以降です。
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INDEX関数とMATCH関数で対応値を検索する方法
MATCH関数の構文
- 検索値:セルの範囲または配列の中から検索したい文字列を指定します。
- 検索範囲:検索値が含まれるセル範囲、値の配列、または配列への参照を指定します。MATCH関数はここで指定した範囲内から何番目に検索値があるかを返します。
- 照合の種類:検査値を検索する方法を指定します。指定値は下記の通り
照合の種類の指定値 | 説明 |
---|---|
1 | 完全一致または次に小さい近似値(デフォルト) |
0 | 完全一致 |
-1 | 完全一致または次に大きい近似値 |
MATCH関数の説明
MATCH関数は、検索範囲の中から最初に一致した値を返します。MATCH関数の検索範囲に指定できるのは垂直方向と水平方向の1次元配列または範囲のみです。
逆検索として最後の一致を返したい場合は、XMATCH関数を使用します。またすべての一致を返す場合は、FILTER関数を使用してください。
MATCH関数の使用例
使用例1:検索値に完全一致
3つ目の引数に「0」を指定することで検索値と完全一致する値を検索しています。「ハサミ」は指定範囲内で上から3番目にあるので3を返しています。
=MATCH("ハサミ",B3:B12,0)
結果 → 3
使用例2:検索値より小さい近似値
3つ目の引数に「1」を指定することで検索値よりも小さい近似値を検索しています。この場合は検索値「95」に対して、次に小さい近似値は指定範囲内で上から2番目の「80」となるので、「2」を返します。
=MATCH(95,B3:B12,1)
結果 → 2
使用例3:検索値にワイルドカードを使用
MATCH関数は検索値にワイルドカードを使うことができます。例のように検索値に「下*」と指定することで「下」という文字から始まる文字にマッチします。
=MATCH("下*",B3:B12,0)
結果 → 4
使用例4:INDEX関数と組み合わせてVLOOKUP関数のように使用
MATCH関数とINDEX関数と組み合わせてVLOOKUP関数のように検索値に対応する値を返す例です。INDEX関数の行番号の指定部分をMATCH関数を使うことによってVLOOKUP関数と同じ機能をもたせることが可能です。この使い方であれば、VLOOKUP関数のように検索値を一番左にする必要がないので、柔軟に使うことができます。
=INDEX(B3:D12,MATCH(F3,B3:B12,0),2)
結果 → コンパス
使用例5:大文字と小文字を区別させる
本来MATCH関数は大文字と小文字を区別しませんが、区別させたい場合はこの例のように指定します。EXACT関数で検索値とセル範囲を指定すると、TRUE、FALSEの配列が返ってくるので、その中のTRUEが何番目にあるかを返すことで、結果的に大文字と小文字を区別した値の位置を返します。
=MATCH(TRUE,EXACT(D3,B3:B6),0)
結果 → 2
MATCH関数の要点
- MATCHでは大文字と小文字は区別されません。
- 一致するものが見つからない場合、MATCH関数は#N / Aエラーを返します。
- 検索値に対してマッチする値が複数ある場合は最初の一致を返します。
- 照合の種類が-1または1の場合は、検索範囲は昇順に並べないと正しい結果が得られません。
- 照合の種類が0の場合、検索値にワイルドカード(*)を含むことができます。
- MATCH関数は、INDEX関数と一緒に使ってVLOOKUP関数のように使われることが多いです。
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