この記事では、Excel VBA(Visual Basic for Applications)で頻繁に用いられるFormat
関数について、その基本的な使い方から応用テクニックまで、より詳細にわたって解説します。この関数は、Excel作業を効率化するためには欠かせないものであり、特に日付や数値、文字列などのデータを特定の書式に変換する際に非常に便利です。
Format関数の基本
Format関数とは何か?
Format
関数は、VBAで指定した値を特定の書式に変換するための関数です。この関数を使うことで、例えば日付データを”yyyy年mm月dd日”のような形式に変換したり、数値をカンマ区切りにしたりすることができます。
書式
関数の基本的な書式は以下の通りです。
Format(expression[, format[, firstdayofweek[, firstweekofyear]]])
expression
: 書式を変換したい値を指定します。format
: 変換後の書式を指定します。firstdayofweek
: 週の最初の日を指定します(オプション)。firstweekofyear
: 年の最初の週を指定します(オプション)。
FirstDayOfWeekに指定できる値
値 | 説明 |
---|---|
vbUseSystemDayOfWeek | システムの設定に従います。 |
vbSunday | 日曜日を週の最初の日とします。 |
vbMonday | 月曜日を週の最初の日とします。 |
vbTuesday | 火曜日を週の最初の日とします。 |
vbWednesday | 水曜日を週の最初の日とします。 |
vbThursday | 木曜日を週の最初の日とします。 |
vbFriday | 金曜日を週の最初の日とします。 |
vbSaturday | 土曜日を週の最初の日とします。 |
FirstWeekOfYearに指定できる値
値 | 説明 |
---|---|
vbUseSystem | システムの設定に従います。 |
vbFirstJan1 | 1月1日を年の最初の週とします。 |
vbFirstFourDays | 最初の4日間が含まれる週を年の最初の週とします。 |
vbFirstFullWeek | 最初の完全な週を年の最初の週とします。 |
戻り値について
この関数の戻り値は、バリアント型(Variant)ですが、内部処理形式としてはStringが用いられます。これは、関数が文字列としての出力を生成するためです。
Format関数とTEXT関数の違い
Excelのワークシート関数にもTEXT
関数がありますが、Format
関数はそれとほぼ同様の機能を持っています。ただし、書式指定文字が一部異なる場合がありますので注意が必要です。
書式指定の種類とその詳細
日付/時刻表示書式
日付や時刻を表示する際に用いる書式です。
- “yyyy年mm月dd日”: 年、月、日をこの形式で表示します。
- “HH:MM:SS”: 時、分、秒をこの形式で表示します。
数値表示書式
数値を表示する際に用いる書式です。
- “#,##0”: カンマで区切って表示します。
- “0.00%”: パーセンテージで表示します。
文字列表示書式
文字列を表示する際に用いる書式です。
- “@”: 文字列そのものを表示します。
- “&&&”: アンパサンドを表示します。
Format関数の使用例とその解説
使用例1:日付の書式変換
日付データを”yyyy年mm月dd日”の形式に変換する例です。
MsgBox Format(Date, "yyyy年mm月dd日")
使用例2:数値の書式変換
数値をカンマ区切りと小数点以下2桁で表示する例です。
MsgBox Format(12345.678, "#,##0.00")
使用例3:文字列の書式変換
文字列をそのまま表示する例です。
MsgBox Format("abc", "@@@")
使用例4:パーセンテージ表示
数値をパーセンテージで表示する例です。
MsgBox Format(0.85, "0.00%")
使用例5:週の最初の日を指定
週の最初の日を指定して日付を表示する例です。
MsgBox Format(Date, "dddd", vbSunday)
Format関数で使用可能な書式指定文字一覧
以下の表は、Format
関数で使用可能な書式指定文字とその説明を示しています。
日付/時刻表示書式
書式指定文字 | 説明 |
---|---|
yyyy | 年を4桁で表示します。例えば、2023年は”2023″と表示されます。 |
yy | 年の下2桁を表示します。例えば、2023年は”23″と表示されます。 |
mmmm | 月の名前をフルネームで表示します。例:”January”、”February”など。 |
mmm | 月の名前を3文字の短縮形で表示します。例:”Jan”、”Feb”など。 |
mm | 月を2桁の数字で表示します。1月は”01″、11月は”11″と表示されます。 |
m | 月を1桁または2桁の数字で表示します。1月は”1″、11月は”11″と表示されます。 |
dddd | 曜日をフルネームで表示します。例:”Sunday”、”Monday”など。 |
ddd | 曜日を3文字の短縮形で表示します。例:”Sun”、”Mon”など。 |
dd | 日を2桁の数字で表示します。例:”01″、”31″など。 |
d | 日を1桁または2桁の数字で表示します。例:”1″、”31″など。 |
hh | 24時間制の時を2桁で表示します。 |
h | 24時間制の時を1桁または2桁で表示します。 |
nn | 分を2桁で表示します。 |
n | 分を1桁または2桁で表示します。 |
ss | 秒を2桁で表示します。 |
s | 秒を1桁または2桁で表示します。 |
AM/PM | 12時間制で午前または午後を大文字で表示します。 |
am/pm | 12時間制で午前または午後を小文字で表示します。 |
数値表示書式
書式指定文字 | 説明 |
---|---|
0 | 数字がない場合も0を表示します。例:”0012″ |
# | 数字がある場合のみ表示します。0は表示されません。 |
. | 小数点を表示します。 |
, | 3桁ごとにカンマを挿入します。例:”1,000″ |
% | 数値を100倍してパーセンテージとして表示します。 |
E+ | 指数形式で正の指数を表示します。 |
E- | 指数形式で負の指数を表示します。 |
文字列表示書式
書式指定文字 | 説明 |
---|---|
@ | 文字列そのものを表示します。 |
& | アンパサンド(&)を表示します。 |
< | 文字列を全て小文字に変換します。 |
> | 文字列を全て大文字に変換します。 |
よくある間違いとその対処法
Format
関数で書式を整えた後、そのままセルに値を入れると、セルの表示形式が上書きされてしまいます。そのため、セルに値を入れる前に、セルの表示形式を適切に設定することが重要です。
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まとめ
Format
関数は、VBAで頻繁に使用される便利な関数です。日付や数値、文字列など、様々なデータ型に対して柔軟に書式を適用することができます。この記事で紹介した基本的な使い方や応用例を参考に、是非ともこの関数をマスターしてください。
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