VBAのVLOOKUP関数でエラー回避する方法まとめ

WorksheetFunctionによるVLOOKUP関数を使用する際、検索値がない場合などに「プロパティが取得できません」とエラーが出る場合があります。
これらのエラーを回避するには「On Error Resume Next」ステートメントを使用します。このステートメントはマクロ実行時にエラーが発生しても中断せずに次のステートメントから処理を続けることができます。
またWorksheetFunctionを使わずにVLOOKUP関数の数式をセルに直接埋め込むような書き方をしている場合はIFERROR関数を使います。
ここでは「On Error Resume Next」を始めとしたVBAでVLOOKUP関数実行時のエラー回避方法についてまとめます。

VBAでWorksheetFunctionによるVLOOKUP関数で検索値が見つからない場合はエラーが出て処理が止まってしまう。

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目次

「On Error Resume Next」でエラーを回避する方法

WorksheetFunctionによるVLOOKUP関数を使用している場合は「On Error Resume Next」でエラーを回避します。下記コードでは検索値をセルから取得してVLOOKUPで検索する際にエラーが出た場合、「該当なし」と表示させる例です。

Sub vlookupError()
    Set Name = Range("D2")  '検索値を指定
    Set myrange = Range("A:B")  '範囲を指定
    Set result = Range("E2")  '結果を出力するセルを定義

    On Error Resume Next 'エラー回避のステートメント
        result.Value = Application.WorksheetFunction.VLookup(Name, myrange, 2, False)
        If Err.Number <> 0 Then 'エラーナンバーが0以外の場合
            result.Value = "該当なし" '結果のセルに「該当なし」と表示
            On Error GoTo 0 'エラー回避を解除
        End If
        
End Sub

正常にVLOOKUPで値を取得している様子

上記コードを動かしている様子は下記です。まずは正常にVLOOKUPで値を取得している様子です。検索値である氏名の欄に鈴木と入力し、左の表の鈴木に対する点数の数値を返しており、正常にVLOOKUP関数を実行できるのがわかります。

正常にVLOOKUPで値を取得している様子

存在しない検索値を検索する際の様子

次に存在しない検索値を検索する際の様子です。山田という検索値が見つからないので「該当なし」と返されているのがわかります。

存在しない検索値を検索する際の様子

コード解説

コードを細かく区切って解説します。

セル「D2」の値を検索値として変数「Name」に格納します。

Set Name = Range("D2") 

範囲「A:B」をデータ範囲として変数「myrange」に格納します。ちなみに「A:B」という書き方はA列とB列すべてが範囲として指定されます。

Set myrange = Range("A:B")

セル「E2」を変数「result」として定義します。ここに検索結果を格納します。

Set result = Range("E2")

「On Error Resume Next」ステートメントを定義します。この文以降は「On Error GoTo 0」で解除しない限りはエラーは無視されます。

On Error Resume Next 'エラー回避のステートメント

WorksheetFunctionのVLOOKUP関数を実行し、その結果をresultとして定義したセルに格納します。

result.Value = Application.WorksheetFunction.VLookup(Name, myrange, 2, False)

エラーが出た場合はresultとして定義したセルに「該当なし」と表示します。ここで使っているErr オブジェクトは実行時エラーに関する情報を保有しており、「Err.Number」はエラーコードを指します。ここでは「If Err.Number <> 0 Then」としているので、エラーコードが0以外だった場合にIF文内の処理を実行します。
「On Error GoTo 0」はエラー回避を解除する文です。以降のエラーは通常通り発生します。

If Err.Number <> 0 Then
    result.Value = "該当なし"
    On Error GoTo 0
End If

補足:Errオブジェクトの関連プロパティ

プロパティ説明
Err.Numberエラー番号です。これが0の場合、エラーは発生していません。
Err.Descriptionエラーの簡単な説明を返します。
Err.Source[プロパティ] ダイアログボックスのプロジェクト名。
Err.HelpContextヘルプ ファイル内の特定のエラーのコンテキスト ID。
Err.HelpFileヘルプ ファイルのフォルダの場所とファイル名。
Err.LastDllErrorDLL または外部ライブラリへの呼び出し (つまり、APi 呼び出し) によって生成されたシステム エラー コード

VLOOKUP関数の数式をセルに直接埋め込む場合のエラー回避方法

VLOOKUP関数の数式をセルに直接埋め込む場合のエラー回避は下記のように「IFERROR」関数を使用します。下記の例ではセル「E2」に直接「=IFERROR(VLOOKUP(D2,A2:B6,2,FALSE),”該当なし”)」と書き込み、その後、E2の数式を値に変換しています。ここでの注意点としては埋め込む数式内に「”(ダブルコーテーション)」がある場合は「””」と記載する必要があります。下記の例では「””該当なし””」の部分がそれです。

Sub vlookupError()
    Range("E2") = "=IFERROR(VLOOKUP(D2,A2:B6,2,FALSE),""該当なし"")" '直接数式を挿入
    Range("E2").Value = Range("E2").Value '数式を値に変換
End Sub

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